象と猿一家は現在ニューブランズウィックへ向かっている途中である。ミニバンを買ってから初めてのドライブで象も珍しく運転には慎重である。ティムホートンズのコーひーをぐびぐびっと鼻からすすっている。
10日以上の滞在にもなるこの旅では準備にとても時間がかかった。と猿は思っている。下準備に抜かりのないのが猿の自慢なのだが小象が出てきてからというもの忙しくてなかなか思うようには行かない。
それというのも、、、ため息、、私は世の中の象に訴えたい。だから象がこの世を支配しているのだ。長い間猿には選挙権も与えられなかった。
猿のいいところを上げよう。一概に小回りが聞いていろんなことを深く理解し、先のことが読めて転ばぬ先に杖をどうやったら効率的につけるか熟知している。
たとえば今回の旅行、11時間のドライブだったら3人でどれくらいの食料を食べやすい形で準備するとか、何枚のDVDを娘の気を紛らわすために準備するとか、どれくらいのオシメを取替え用に準備するとかそうゆうことはお茶の子さいさいである。
スノータイヤがいかに安全であるか知っているのももちろん猿。
象のいいところは、猿の要求に文句を言わず言われたものを出発前にバンに詰め込むことができ、11時間居眠りせずに運転することが出来る。
ただ、必要と思っていないからか、これが象の限界なのか、もちろん基本脳みそ構造が違うということが大前提なのだが、準備ということが出来ない。スノータイヤでさえいらないと思っていた。
準備するのはせいぜい自分のパンツくらいである。スノータイヤも結局私が町中のタイヤ屋に電話をしてそこそこのタイヤを探し見積もりを出し予約までした。出発準備は細かく準備して段取りよく並べておいて、バンにのせる際もこれはこうでと説明した。が、象は段取りを理解しないのでわさわさとつかんでドカンとミニバンに投げ込み、車内はサルの繊細さは見事に消し去られている。そして象は「俺ってすごいだろう」といった顔をしている。象の顔には満足の表情があるのみ。
仕方がない、猿にはこれだけのものを移動するだけの体力は残っていないのだ。昨夜だって小象と娘に計5回も起こされてしまっていつ寝たのか覚えがない。
でも結局象が安全に私たちをNBまで運び、母象父象は喜んで迎えてくれて丸く収まるのだ。象は深く物事を考えるわけでなく体力勝負で仕事をなし終え、みんなに感謝されるのだ。
ちぇっとおもいながらも私も感謝してしまう。また彼の思うようにことが運んでしまった。
猿は「ふん、私は縁の下の力持ちでいいもん」
あ~あ、時間をかけた下準備もあまり役に立たなかった。とちょっとしおれてみる。
でもこれは猿の性格なのでしょうがない。また役に立つかどうかもわからない下準備をクリスマスのためにこつこつ始めてしまった。
猿はきっとこうやってこつこつ下準備をしているという猿自身に惚れているに違いない。
それでいいのだ。と小象と娘がすやすや眠る車中でそっとおもった。
メリークリスマス
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